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紅い薔薇のトラウマ

あなたには他人には理解できない“嫌い”なものがありますか。知り合いにはリンゴを齧る音が嫌いな人や、猫が死ぬほど嫌いな人なんかがいます。一般的にはそれらは子どもの頃のトラウマが関係していることが多いとも言われています。

さて、あまり好き嫌いというものがない猫侍にも、嫌い、というか苦手なものはいくつかあります。今日はそんな猫侍の苦手のお話ーー。

私が苦手なのは、ズバリ『薔薇』です。もっと限定的にいうなら『花瓶に挿された』『紅い』『薔薇』です。

ボクが小学生の頃、クラスの女の子の誕生日会に招かれたことがあります。利発で可愛らしい子でしたが、ボクは別にその子に興味はありませんでした。彼女がボクを招待してくれた理由は、彼女が好きな男の子がボクの友だちだったから。その彼を呼ぶ口実にボクも誘ってくれたのです。女の子の誕生日会に呼ばれて、一つ困ったことがありました。それは女の子へのプレゼントなんて、まったく見当がつかないということでした。ボクは数日間悩んだ挙句、紅い薔薇の花束を送ることにしました。物は人の好みがあるけれど、花が嫌いな人はいないと思ったからです。

誕生日会当日、ボクの薔薇は彼女の家の白い花瓶に飾られ、つつがなく誕生日会は進み、そして終わりました。

そして、数日後、ボクは偶然、彼女の家の前を通ります。朝の早い時間です。彼女の家の前に青いゴミ箱があり、ボクはその中に頭から乱雑に突っ込まれている薔薇を見つけました。色あせた青いポリバケツに、くすんだ紅い薔薇が妙に映えていたことを今も覚えています。

この時のボクの気持ちを今となっては正確には思い出すことはできません。ただ“なんとなく”悲しくて、早足にその場を立ち去ったのだと思います。

その後、ボクは彼女とは普通の知り合いでしたし、彼女に対して悪い感情は何一つありませんでした。でも、その頃からテレビなどで演出として現れる『花瓶にささった』『紅い』『薔薇』を見ると、胸の奥にチクリと、文字通り薔薇の刺が刺さったような仄暗い痛みを覚えるのです。

ボクは彼女に対して、恋愛感情などは一切ありませんでしたし、誕生日会に呼ばれた理由も友人を呼ぶための口実にしか過ぎないことも、薔薇も日が経てば枯れてゴミになることも幼いながら十分に理解していました。

そこまで頭で、理屈で、理性で、わかっているにもかかわらず、割り切れない感情が胸の奥に生まれてしまう。そんな人間の心の不思議を、今日、友人から伝え聞いた、彼女が結婚したという吉報とともにふと思うのでした。
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テーマ : 独身男性の日記&独り言
ジャンル : 独身・フリー

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Author:ねこさむらい
猫をこよなく愛する天才こぴーらいたーが、トマトを育てたり、本を読んだり、自分でもよくわからない自身を分析したりするよ! で、現在、無職になっちゃった!? 絶賛再就職活動中ですわ!!

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